ビバ!おけいこヴァイオリン
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「第64回全日本学生音楽コンクール」全国大会-講評
2010/12/29(水) 19:38:16
今年もレベルの高い演奏に数多く出会えた。特に小学校の部の“天才少年少女”には、審査員一同、興奮するほど楽しませてもらった。 小学校の部で1位に輝いたのは、難曲ヴィエニャフスキの協奏曲第1番を弾いた吉田南。堂々たる弾きっぷりで、最初の音を出す直前の構えを見た時、すでに“ただもの”ではない空気を醸し出していた。技巧的なパッセージも切れ味よく、力強く豊かな音でよく歌い、スケールの大きな才能を感じさせた。2位の安田理沙はラロの「スペイン交響曲」を魅力的に演奏し、横浜市民賞も受賞した。曲のラテン的な特徴を理解し、音色やニュアンスが繊細に変化。揺れのある曲想を粋に伸びやかに演奏し、引き付けた。3位の古澤香理はサンサーンスのハバネラを美しい音でうっとりさせる演奏をした。冒頭のテーマは小学生とは思えないようなしっとりとした歌い方で感心した。今後の成長が大いに期待される。 中学校の部ではプロコフィエフの協奏曲第1番を弾いた徳田真侑が1位に輝いた。冒頭から音色のセンスが抜群で、表現の幅が実に広く、心から湧き出るものを「表現することが楽しい」という印象を受けた。ピッチカート一音一音にも磨かれたセンスが光り、リズムもシャープですばらしい演奏だった。ラベルのツィガーヌを弾いて2位となったのは土井遥。艶のあるソロ・トーンを持っていて、素晴らしい音響のみなとみらいホールで独奏部分を伸びやかに弾き切り、最後まで推進力を失わずに突き進んだ演奏だった。3位の中村友希乃はブルッフのスコットランド幻想曲。第3楽章は大らかに歌い上げ、しみじみと感動させて横浜市民賞も受賞した。第4楽章は躍動感あふれるものだったが、音程の緻密さや余裕のある表現などがさらに高まることを期待したい。 高校の部は、全体に美点も多いが欠点も出ており、バランスのとれた演奏が少なかったのが惜しまれる。1位の松岡井菜はブルッフのスコットランド幻想曲。弓の持続がすばらしく長いフレーズで歌えたが、技巧的な部分での余裕がほしかった。2位はサラサーテのカルメン幻想曲の桐原宗生。繊細なセンスが光るが、終曲のコーダ部分など曲の性格上もう少し迫力がほしかった。3位の2人はいずれもラベルのツィガーヌを演奏。それぞれが独自の音を持っていることが魅力だ。大久保良明は音も豊かで楽に弾けていたが多少粗さもあり、緻密さが加われば変奏の特徴も描けたであろう。加藤周作も美しい音であるが時々ビブラートが細くなり、全体に間の取り方が短く、突進した感が否めなかった。横浜市民賞はヴィエニャフスキの「創作主題による華麗なる変奏曲」を太い音で弾いた杉谷悠が受賞した。変化に富んだ演奏を目指せば、一層魅力的になるだろう。 この才能あふれる子供たちが世界に羽ばたくことを期待するが、周りの方々は結果に一喜一憂して他人と比べたりせず、人間として温かく大きく成長するように見守ってほしい。音楽はその人間性がすべて表出されるものだから、会場の拍手もまた成長させる大切な要素だ。市民賞選定員はじめ来場の方々にはこれからも応援していただきたい。 (大谷康子)
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