ビバ!おけいこヴァイオリン

門下、レッスン、先生、コンクール・・・時にシリアス、時にコミカル。

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「魔王のスタジオ」-フギャアスケート

2006/01/23(月) 23:58:58

スキムラ・ショウゾウが弾いたのは、「ヘンデルのソナタ」ではなかった。

それは、「変だなのソナタ」、あるいは「ヘル(地獄)ではそうなった」と呼ぶしかない代物であった。

とんでもない音程。地の底を這いずり回るような、異様にひしゃげ、けいれんした音。左手の手のひらがベッタリとヴァイオリンのネックに密着し、弓は弦の上で酔いどれた「フギャア!」スケーターのように滑りまくり、弧を描き、蛇行していた。

それは、悪い所ばかりをこれでもかとすべて寄せ集めてきたような絶望的な弾き方であった。体中を掻きむしって、「イー」に濁点をつけて叫び出したくなるようなノイズ、ノイズ、ノイズ・・・。

魔王の暗澹たる気持ちは、さらに深まっていった。このレベル、この性格、しかもこの親では、まともにヴァイオリンを弾けるようには絶対にならないだろう。本当にとんでもない弟子を背負い込んでしまった。しかもオタベ幹事長の孫ときているから、よけいに始末が悪い。

ショウゾウの弓による酔っぱらいスケーティングが終了した。世界は悪魔のソナタからようやく解放されたのだ。ほっとしたコバちゃんは、リンゴ飴を買いに行くと言ってスタジオを出た。

魔王は仕方なく、この少年の姿勢やヴァイオリンと弓の持ち方など、ごく基本的な部分の矯正をするためのレッスンにとりかかることにした。

しかし、すぐにそのレッスンは、ショウゾウの統制を失った狂想曲によってかき消されていくのであった。


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「魔王のスタジオ」-彼方のソナタ

2006/01/16(月) 19:40:28

「ショウゾウ君、かわりのリンゴ飴は僕が買ってきてあげるから、ヴァイオリンを出して、今習っている曲を弾いてみてくれないかな。」

コバちゃんが、マエストーソな(威厳に満ちた)声でゆっくりと言った。その響きはスキムラ父子の動きを止めた。

父親とは似ても似つかない膨れ上がった身体。顔もそれに比例して大きいが、眼だけは細い。その眼をさらに細くして、ショウゾウは怖れるようにコバちゃんを見た。微笑んでいるコバちゃん。

「うまく弾けたら、新しいリンゴ飴をあげよう。」とコバちゃんが言った。

優しそうだが、コバちゃんの言葉と態度には、きっぱりとしたものがあった。少年は口中に残っていたリンゴ飴のかけらをごくりと飲み込んだ。

そして沈黙の数十秒が過ぎていった。いや・・・

-さあ、上手に弾いてごらん。君が上手に弾けば、いいことがあるよ。

誰もが沈黙しているはずなのに、遠く彼方から響いてくるような声がした。その声はどうやらコバちゃんのほうから聞こえてくるようなのに、コバちゃんは口を動かしていなかった。ショウゾウは不思議に思った。

-さあ、ヴァイオリンのケースを開けて。

と、また声がした。魔王にもスキムラ父にもその声はまったく聞こえなかった。ショウゾウの耳だけにはっきりと聞こえた。

その声は優しく、深く、人間の声のようでいて、何かの楽器が奏でる音楽の心地よさに包まれているようでもあった。

はじかれたように少年はヴァイオリンケースを開けて、ヴァイオリンと弓を取り出した。そしてそれをコバちゃんに渡した。コバちゃんは弓の毛を締め、軽く調弦して、少年に返した。

「何を弾いてくれるのかな?」

「ヘンデル。」

「ソナタ第3番2楽章だね。」

魔王とスキムラ父はあっけにとられて、その様子を眺めていた。

少年はまじめな顔つきになって、ヴァイオリンを弾き始めた。


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「魔王のスタジオ」-リンゴ飴

2006/01/13(金) 20:04:49

今日はスキムラ・ショウゾウの初レッスンの日である。

父子連れ立って、45分遅れでやって来た。

「駅からの道が複雑で、迷ってしまいました。」と言い訳するスキムラ父には、あわてている様子は微塵もなかった。遅刻の確信犯として、悠々と魔王邸にやって来たように思えた。

駅から魔王邸までのわかりやすい地図は事前にFAXで送ってある。その地図を見て、道に迷ったなどという例は聞いたことがない。

息子のショウゾウはニューヨーク・ヤンキースの野球帽を被ったままで、挨拶もしない。それどころか、縁日の露店で買ったのだろうか、棒つきの真っ赤なリンゴ飴をベロベロと舐めていた。初レッスンの日に、しかも師匠の面前で、下品にも平気で飴を舐めている。しかもそれを父親が注意しようともしない。特注と思しき分数ヴァイオリン専用の四角いケースとレッスンバッグは、父親が抱えていた。

魔王は嫌な予感がした。

レッスン開始。

「こんにちは。ショウゾウ君。それでは、ヴァイオリンを出してくれるかな。」

ショウゾウはリンゴ飴を舐めるのをやめない。唇の周辺が広い範囲で赤くなっている。べちゃべちゃべちゃと唾液がほとぼしる。

「ショウゾウ、こら、ショウゾウ。飴を舐めるのをやめなさい。」

やっと父親のスキムラが注意した。しかし、この少年の場合、1回や2回の人の言葉は、親からのものであれ、先生からのものであれ、まず右の耳から左の耳にあっさり抜けていって、一切残らない。ベチャベチャは簡単に収まらない。

「こ、こら。ショウゾウ。レッスンが始まったんだから、飴を舐めるのはやめなさい。」

叱っているようだが、声音はおもねるように優しい。この父親の平素からの子供に対するコミットメントの薄さを如実に物語っていた。

「やめなさい。」と、父は仕方なくショウゾウの口からリンゴ飴を引き剥がそうとした。その拍子に、リンゴ飴が棒からスッポリと抜けて、床に落ちてしまった。

「あーーん。ボビのリンゴ飴、ボビのリンゴ飴があーつ。あーーん。」

「あーっ。ごめんよ。ごめんよ。ショウゾウ。パーパが悪かった。許してくれ、許してくれ。」

父親が子供に本気で謝っている。ショウゾウはこれで小学校4年生なのだ。これはヴァイオリンのレッスンどころではない。とんでもない父子を弟子にとってしまった、と魔王は暗澹とした気持ちになってきた。

「せ、先生。ちょっと待って下さい。私、ちょっと行ってきます。リンゴ飴を買いに。」

スキムラ父はヘピのような眼の小顔を真っ赤にしながら、魔王に向かって言った。その歯には青海苔がいくつもくっついていた。そして、唇の端にはマヨネーズミックスのソースの痕跡が確かにあった。

さっきタコ焼きを食べてきたであろうことは明白であった。

この父子、レッスンに来る前に、駅前のふれあいフェスティバルの露店に寄り道してきたに違いなかった。レッスン時間に大幅に遅れてきたのはそのためであった。


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「魔王のスタジオ」-ウルフガングの囁き

2006/01/10(火) 19:48:33

オタベの次男は不肖の息子である。東大→高級官僚→衆議院議員のゴールドコースを歩んだ長男とは正反対に、次男は遊び呆けていた私大在学中に訪れたオーストラリアのゴールドコーストで、語学研修の傍らボランティア活動に励む日本人女性と出会い、そのまま現地で結婚。ひとり娘だったため、養子に入ってスキムラ姓に改姓した。もちろんオタベがそれを許すはずもなく、勘当同然に。

帰国後、サラリーマンになったスキムラがオタベ家への出入りを許されるようになったのは、孫のスキムラ・ショウゾウのおかげであった。長男夫妻に子供はなく、ショウゾウは優しいオタベ爺ちゃんの寵愛を独り占めした。

スキムラの参議院議員出馬も、ショウゾウのおかげであった。

平社員スキムラは、他の隠れ門父兄に比べ、可処分所得は明らかに少ないはずである。ドクター・コバことコバちゃんは、スキムラからはバカ高なレッスン料は取らないように魔王に進言した。魔王はコバちゃんの言う通りにした。

スキムラの息子ショウゾウは、このようにして爺ちゃんの七光りで、実力もお金もないのに魔王門下にスルリと入門することになった。「サロン・ド・魔王」への参加も実費だけの徴収という特別待遇で。

「スキムラさんが次回の参議院選でめでたく当選し、政治家にヒラリと転身すれば、魔王先生にとって政界進出の足がかりがまた一つ増えることになりますよ。政治家になるには、人脈を網の目のように張り巡らせることが重要です。」

コバちゃんは魔王の肩を抱きながら、耳元にアダージョな(緩やかな)優しい言葉を吹きつけてやった。

今日は、モーツァルト・イヤーの記念コンサートで自らが独奏することになっているヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」の練習をしていた魔王。1音1音に集中し、あるべき発音について考えているうちに、いつものように「行ってしまった」のである。

魔王は自らの練習中は、スタジオの全体照明を落とし、集中のために自分にスポットライトをあてる。今、そのスポットライトは、床にへたりこんで、コバちゃんにしなだれかかっている情けない魔王の姿を鮮やかに照らしていた。

魔王は陶然とした顔で、うなされるように言った。

「ウルフガングの音楽を奏でるためには、各音をすっぽり収め、響きを端正に整える『発音の容器』が必要なんだ。そうだ、小林君、わかるかね。『容器』だ。『容器』を自分の体に備え付けることが必要なんだよ。」

一種異様な妖気をたたえて、容器を語る魔王。この状態に陥ると、魔王の心を常日頃占めているあれやこれやの問題が洪水のようにあふれ出てきて、魔王が苦悶の涙を流すことをコバちゃんはよく心得ていた。

その時を待って、コバちゃんは、優しく魔王の肩を抱く。そして、魔王が避けて通りたい問題をストレートに問いかけ、その解決策を話してきかせてやるのであった。

マインドコントロールされた魔王は、コバちゃんの言うことに何でも従った。

税理士であったコバちゃんの父親は、かつて周囲の勧めもあって市会議員選挙に立候補し、敗北した。支持勢力の造反や寝返り、組織的な買収工作、選挙違反とその密告・・・。

最後は孤立無援、地盤皆無の状態で闘い、ボロボロになってしまった父の姿をコバちゃんは覚えていた。

「先生。クモの巣のように、人脈の目を張り巡らせましょう。1つ1つ確かな糸を紡いでいくのです。」

言葉は優しいが、コバちゃんの眼は復讐に燃えるどうもうなウルフガン(狼眼)になっていた。

魔王はコバちゃんの言葉に子供のように頷いた。


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「魔王のスタジオ」-えっ、魔王が出馬?(2)

2006/01/02(月) 00:40:29

俳優、落語家、漫才師、スケート選手、スキー選手、プロレスラー・・・
ヴァイオリニストの自分がその列に加わる。別の意味で「先生」などと呼ばれる。まんざらでもないなあ、と魔王が本気で期待を持ち始めたとき、ある電話がかかってきた。

「もしもし、魔王先生でいらっしゃいますか。」

「はい、そうですが。」

「私、幹事長オタベの第一秘書でございますが。」

「お世話になっております。」

「本日は、オタベから折り入ってお願いがございまして、お電話させていただきました。」

「はい。何でしょうか。」

「実は、次の参議院議員選挙で・・・」

「(きたか!)選挙ですか。選挙。いや私なんか、そんな、そんな。」

「はい?」

「いや、もう。演説なんてできないですしね。立ってりゃいい、なんて言われても。あの、その。握手するでしょ、握手。」

「はあ・・・」

「選挙運動では、1日に何百人もの有権者と握手するでしょ。あれは、いけないなあ。ヴァイオリニストの手には、あれはよくないです。」

「あ、いや。魔王先生。」

「いや、恥ずかしいなあ、選挙カーに乗るなんて。嫌だなあ、立ち会い演説会は・・・。」

「あの魔王先生。先生の選挙のことではありませんが。」

「えっ?」

「先生の選挙ではなくてですね・・・。」

「はあ・・・」

「実は、次の選挙でオタベの次男が立候補するんですが・・・」

「はい。」

「スキムラというんですが。ここの長男が小学校4年生でして。」

「はい。」

「実は、ヴァイオリンを習っております。」

「ヴァイオリンを。」

「はい。どうやら今の先生が合わないらしくて。できれば魔王先生のお弟子の仲間入りをさせていただければ、とオタベが申しております。」

「あっ、私の門下に。」

「よろしいでしょうか? オタベはああ見えても、孫のことになると単なる優 しいおじいちゃんなんです。入門させていただければ、オタベも殊のほか喜ぶと思います。」

「いいですよ。わかりました。」

完全に思惑はずれ。

まあ、仕方がない。これも何かの縁。国会議事堂でヴァイオリンを演奏する夢はまだまだ先のようだが、オタベ幹事長の頼みとあれば、お安いご用だ。

魔王は入門を無条件でOKした。


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「魔王のスタジオ」-えっ、魔王が出馬?(1)

2006/01/01(日) 00:36:13

幹事長との縁は、3年前。

党の諮問委員会に、民間の有識者の一人として、魔王が委員として招かれた時から始まった。

所属する有名オケの親会社会長が党の古参幹部と親しく、ぜひクラシック音楽の演奏現場から委員を、というその幹部の要請に応えて、オケのコンマスの魔王に諮問委員の白羽の矢が立ったというわけである。

嫌がる魔王の肩をたたきながら、ハバナの葉巻が好きなその親会社会長はこう言った。「うまく行けば、君もやがてヴァイオリニストにして国会議員だよ」と。

そんなことはつゆほども考えたことのない、根っからの音楽家である魔王。オケのリーダーであるコンマスとはいっても、楽器の音回しはともかく、政治の根回しなど不得手。

地方ホールのための実質ドサ回り公演は慣れてはいる。が、それと、選挙のためのどぶ板講演は、全く勝手が違うに決まっているし、そもそも人前でしゃべるくらいなら、ヴァイオリン弾かせろと、声を大にして叫び出したくなるくらいの、根っからの話下手なのだ。

しかしながら断わることもできず、引き受けてしまった。

その諮問委員会の座長を務めていたのが、党の実力者で、熟達の権力屋の異名を取るオタベであった。

オタベは座長といっても名ばかり。党内の調整やら、国会対策やらで忙しく委員会の会議があっても、議事を副座長に任せて、途中で必ず中座した。

いつも、「いや、すまん」「いや、すまん」と言って、会議を中座するのである。

しかしながら、オタベは会議などに出なくとも、そのあざとい政治家としての魅力を周囲に嫌というほどふりまき、各界出身の委員達を簡単にろう絡していった。

その人脈作りの手練手管には誰しもが感心し、委員達はいつしかオタベのことを「偉大なる、いや、すまん。」と呼ぶようになった。

魔王も行きたくもないが、料亭にクラブにゴルフにと引き回されるうちこのオタベとの関係から抜けられなくなってしまった。そして、1年前にこのオタベが、見事に党幹事長に抜擢されたのである。

親会社会長のあの言葉が魔王の脳裏に鳴り響く。

ひょっとして、いつか自分が比例代表で出馬することになるのか・・・


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「魔王のスタジオ」-トクダー・コバの才覚

2005/12/23(金) 02:01:37

■『サロン・ド・魔王』企画書

・ 隠れ門の発表会は、従来、隠れ門だけが演奏を行っていたが、ここに、2~3人の優秀な 門下生(きれいどころ)の演奏と魔王先生の演奏を入れることにする。隠れ門とその父兄をいい気分にさせる程度の小品をそれぞれ1曲ずつ披露すれば十分であろう。

・ 発表会後のパーティーを充実させる。フレンチの前菜のケータリングを取って、旬の最高 級の食材(例えば、国産マツタケや、松阪牛霜降り等)を仕入れ、バーベキューなどを行う。ワインもシャトー・マルゴーくらい空けたい。
 
・ 名称は、発表会ではなく、あくまで「サロン」とする。宮廷貴族のそれを模してドレスコ ードもかなり厳しくし、セレブ感をそそるようにする。

・ パーティー時間中に、出入りの楽器商主催による楽器品評会(実際は売り込み活動)を行 う。ストラドやグァルネリ、ガダニーニを魔王先生が試奏しつつ、隠れ門連中の購入ターゲット銘柄(都内近郊の70~80平方メートル3LDKクラスの分譲マンション一戸分くらいのお値段。)を多数取り揃え、参加者に自由に試奏・品評してもらう。

「楽器屋からは協賛金が取れますね。単なる発表会ではなく、上等のワインで最高級の食材 を楽しむホームパーティーであるところが、ヒルズ連中の感性にびびっと来るはずです。

そうやっていい気持ちになったところで楽器の品評会をやるのです。魔王先生が試奏して薦めてやれば、イチコロですね。プレッセンダやギヨーム思い切ってガダニーニを買おうなんていう人も現れるかもしれません。

隠れ門の父兄の中にはIT企業経営者や経営幹部もいます。彼らは、J-POP系だったのに最近クラッシックにも触手を伸ばしている新興レーベルの経営者とも親しいんです。門下生のきれいどころを紹介してやれば、彼女たちのCDデビューなんて簡単なのではないでしょうか。

うーん、参加費は隠れ門+父兄1組20万円はちょっと安いかなあ。30万円でもいいか。」

まったく飛んでもない企画力。トクダー・コバの驚くべき才覚!

いいなあ、才覚。井原西鶴。

成功、逃さんよう。世間胸算用。

トクダー・コバの将来が見えてきた。


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「魔王のスタジオ」-隠れ門の発表会

2005/12/21(水) 00:39:20

トクダー・コバは「隠れ門下生」の発表会の運営を任されることになった。

「隠れ門下生」(以下、略して「隠れ門」と呼ぶことにする。)の発表会。

その模様は想像するだけでも、怖気(おぞけ)が走るが、本当の門下生の発表会とは完全に切り離され、魔王の成城の自宅スタジオで1年に2回、しめやかに行われることになっていた。

外のホールで催したのでは一般の人に聞かれるかもしれない。ホテルの宴会場もやはりタブーだ。宴会場担当者のホテルマンは、どのように接客上、鍛えられていたとしても、隠れ門たちの演奏を聞いたが最後、「必ず」笑い出すに決まっている。

公衆の目にとまる形でその会が催された場合は、魔王のキャリアにとって取り返しのつかない汚点となることは明らかであった。

だから、ひそかに、自宅スタジオで行うのだ。

トクダー・コバは、次回の隠れ門発表会から、会費を一人3万円から20万円に値上げすることを提案した。魔王は当初からこの発表会の会費は、伴奏代とちょっとした茶話代込みで3万円と比較的良心的に設定していたのだ。

「先生、それでは良心的すぎますよ。天下の魔王の発表会がその会費では、ブランド価値が下がってしまいます。もう少しお金を取りましょう。20万円くらい払っても、全く平気な人たちですよ、彼らは。もちろん、ただ、値上げするだけではいけませんから、次のような企画を考えました。」

トクダー・コバが魔王に示したのは「仮称『サロン・ド・魔王』について」という発表会の企画案であった。


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「魔王のスタジオ」-得だねえ、コバちゃん

2005/12/19(月) 00:08:06

優しい性格のコバちゃんは、魔王のカウンセラーとしてなくてはならない存在となった。

レッスン料を無料にしてもらい、将来の町のヴァイオリン先生としての修行を積むべく、セレブ連中の多い「隠れ門下生」へのレッスン同席が許されたコバちゃんの噂は、門下内に瞬く間に鳴り響いた。

「ニキヤ君の位置づけより凄いじゃん。」

「内弟子同然じゃん。」

「いいなー、コバちゃん。」

「レッスン料もただ、修行も積める。おまけに、セレブとお友達になれちゃう。ラッキーだねえ。お得だねえー。」

「得だねえー、コバちゃんは」

「それに、福岡で魔王先生と抱き合っていたなんて、特ダネじゃん。」

得だねえ、コバちゃん。特ダネ、コバちゃん。

いつしか、コバちゃんは門下の中で「トクダー・コバ」と呼ばれるようになった。

トクダー・コバは、風水については全く無知であったが、地方都市の出身者であり、その地の名士である税理士のひとり息子という家柄であった。

音大生の3Kと言えば、「計算できない」「漢字読めない」「結婚できない」であることはつとに有名である。

トクダー・コバはしかし税理士の息子だからか、計算が得意だった。そして加減乗除の四則計算に加え、ある種の計算高さともくろみ上手なところをも持ち合わせており、そこが他の音大生にはない彼の持ち味であった。

そして、この点でも彼は魔王に重宝がられることとなるのである。


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「魔王のスタジオ」-隠れ門下生

2005/12/16(金) 02:06:07

魔王はコバちゃんを「隠れ門下生」と呼ばれる人たちのレッスンに同席させることにした。

プロオケなどに入って食い扶持を稼ぐ実力などないコバちゃんは、大学卒業後は町のおけいこヴァイオリン先生として、生計を立てていくしかない。

なかなかに手強い「隠れ門下生」へのレッスンはそのための経験を積む研修の場として最適である。それは魔王の親心であった。

「隠れ門下生」・・・。

隠れキリシタンは、世を忍んだ。為政者は、彼らをいぶり出すために、踏み絵を踏ませた。

しかし、「隠れ門下生」は、世を忍ばない。それどころか、大仰にひけらかす。

彼らはそもそも門前払いされる実力レベルである。しかし、様々なルートからの依頼と仲介、しつこい申し出と売り込みに、魔王が負けてしまい、簡単に門前払いできないケースが多い。

その場合、実力のほどを思い知らせ、入門を諦めさせる手を使うことがある。

例えば、門下生の発表会を聞かせてみる。あるいは、優秀な門下生のレッスンを見学させてみる。

それでも諦めなかったことがあったので、ある時、門下生発表会で、一度弾かせてやったことがあった。

入門などできる実力にないことを、満天下にさらす、「踏み絵」のようなこの試み。しかし、その「隠れ門下生」志望者は、それを「踏み絵」とは感じなかった。

入門OKのサインだと捉えてしまったのだ。

諦めさせるための策が逆効果となってしまった。今さら断れなくなってしまった魔王は仕方なくこう言った。「本当はお教えできるレベルに達していません。しかし、本人もやる気があるようですし、ご両親の強いご希望であるのなら、仕方がない。ただし、私の門下であることは、他言無用ですよ。」

他言無用は、無理。彼らは、大宣伝をやらかす。

有名タレントの子息、今をときめくIT長者やヒルズ族の子息、会社役員・医者・弁護士の子息・・・。いわゆるセレブを地で行く人々の子供がこの種の「隠れ門下生」予備軍である場合が多い。

子供の教育に関しては、自らの衣食住以上に、超セレブの外見を、そしてブランドのお墨付きを強烈に欲するのが彼らである。魔王は、決して断われない筋からの紹介で、このような実力が伴わない、しかし、魔王ブランドが欲しくてたまらない連中をあてがわれることになるのである。

そういう「隠れ門下生」のレッスンは、ふつうのレッスンとして成立しないのは言うまでもない。指導しても直してこない。そもそも練習しない。わがままで見栄っ張りがヴァイオリンをやっているのであるから当然だ。

しかも、そのレッスンは魔王の音感を完全に乱す。数組のこの「隠れ門下生」はヴァイオリニストとしての魔王にとっては大いなるマイナス要因である。

しかし、生活者としての魔王にとっては、やはり彼らは上客であり、その点が実に悩ましい。

レッスン料は通常の門下生の2~3倍。実力が劣れば劣るほど、魔王門下への憧れは強く、その門下生としての証に、派手好きの親は、高いレッスン料を平気でどんどん支払う。

レッスン料は高くなければいけないのだ。


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「魔王のスタジオ」-コバちゃんと魔王

2005/12/13(火) 00:15:56

福岡で、ガウンを着たまま涙を流し、コバちゃんに慰められた魔王。

あの後、魔王は実際にクリニックに行くことはなかったし、その必要もなかった。コバちゃんが魔王の主治医となったのだから。

コバちゃんはあれ以降も、魔王の話を黙って聞いてあげた。魔王のわがままなモノローグの主旋律を、絶妙の通奏低音で支えてあげた。魔王はコバちゃんを心の伴奏者に指名したのだ。

時々魔王を襲う「あっちに行ってしまう」症候群を見事にコントローする、心理カウンセラーとしてのコバちゃん。彼は、この功績によって、魔王の初めての内弟子となったのである。

落語や漫才の世界の師匠は内弟子を取り、住み込みで寝食を共にする中で、芸を仕込む。いや、盗ませる。もちろん、レッスン料など取らないし、生活費の面倒さえ見てやる。

しかし、音楽界の内弟子はあまり見かけない。あの故斎藤秀雄氏くらいであろうか。生活費の面倒まで見てやりながら、弟子達を育てたのは。

コバちゃんは、さすがに成城の魔王御殿に住み込むところまではいかなかったが、毎回のレッスン料は免除されることになった。

それまで魔王の一番弟子で、国際コンクールにも通用すると言われていた俊英ニキヤ君は、実際には魔王にレッスン料を渡していたので内弟子ではなかった。

実力がすべてのこの世界で、コバちゃんは、見事に全く別の切り口から、魔王の寵愛を一身に受ける存在に成り上がったのである。

世の音大の学生諸君には、まさにこの事実は(フィクションだが)、福音であろう。

諸君、臨床心理学の単位を取っておきなさい!


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「魔王のスタジオ」-門下生母のディープな噂話

2005/12/10(土) 01:58:56

小学5年と中学2年の門下生のお母さんの電話での会話。

「もしもし、ハニカミ様のお宅ですか。魔王先生門下のコリエですが。」

「あっ、コリエさん。このたびは、お疲れさまでした。応援にいけなくてごめんなさい。」

「いえいえ。まだまだうちは力不足だということが、よくわかりました。」

「そんなことありませんよ。本選に出場されたんですから。それだけでもう選ばれているわけじゃありませんか。」

「でも。やっとこさ予選を通るレベルと、軽々と予選を通るレベルがあって。うちは、前者。去年のハニカミさんとは比較になりません。」

「いえいえ。コリエさん、来年があるじゃないですか。」

「それをおっしゃるなら、ハニカミさん。去年、奨励賞を取られて。てっきり今年は、1位狙いかと思っていたんですが。」

「狙いに行って取れるものではないですしね。」

「たぶん、ハニカミさんのことだから、次は世界をすでに視野に入れていらっしゃる?」

「いえいえ。」

「ところで、パリのお姉様方は一次予選であえなく・・・だったようで。」

「やはり世界は難しい、ということかしら。」

「それにしても、ニキヤさんが、ブリュッセルにもウィーンにもパリにもエントリーしなかったのは、どういうことでしょうね。」

「ヘルシンキもエントリーしてないですね。来年のジェノバかポズナニ狙いでしょう。」

「あの方は世界向きですしね。」

「そのニキヤさんのお母様から聞いたんですが。最近の魔王先生って、やっばり変。あのニキヤさんでも、魔王先生の レッスンの頻度が減っているそうですよ。」

「そうなんですか。魔王先生の秘蔵っ子、内弟子と言ってもいいニキヤさんまでが。」

「例の国内コンクールの前なんかは、他の門下生を完全にオミット。ニキヤさんオンリーのホール練習を何回もやったっていう噂ですものね。」

「どういうことでしょうか。まあ、以前から、魔王先生の場合は、オケの公演頻度が高く、時々ソロを執られることもあって、そのためのご自分の練習をする時間がない。仕方がないので、お姉様方のレッスンが、魔王先生のおさらいの時間になってしまう、というようなこともあったらしいですし。」

「そうそう。お姉様方にその曲を弾かせて、それで魔王先生御自身がさらっちゃおうという、忙しい大家にありがちな秘技ですね。」

「高嶋ちさ子さんも、師匠の徳永先生がそうだって、本に書いてらっしゃいましたね、たしか。」(*註)

「これは内緒の話ですが。ニキヤさんが先週、おかしな光景を見てしまったらしいんですよ。」

「おかしな光景?」

「1か月前のレッスンが福岡だったらしくて。アクロスシンフォニーホールの控え室をノックして、部屋に入った時に・・・」

「な、何があったんですか?」

「部屋の中で、ガウンを着た魔王先生が、小林さんに抱かれて泣いていたそうですよ。」

「小林さん?」

「ほら、あの門下の小林さん」

「あ。去年の発表会に出してもらえなかった、あのコバちゃん?」

「そう、コバちゃん。」

「どういうことですか?」

「わかりませんが。ニキヤさんに気づくと魔王先生は、我に帰ったようで、コバちゃんを部屋から追い出して。ニキヤさんにはちょっと待て、と言ってドアを閉めたそうです。コバちゃんは帰っていき、その後は何事もなかったようにニキヤさんのレッスンが始まったらしいです。」

「何やらミステリアスでもあり、みだらでもありますね。」

「そしてそれ以来、どうも、コバちゃんのレッスン頻度が増えているという噂なんです。」

「ひどい。なんですか、それ。」

「そろそろこの門下も・・・」

「やはり、ハニカミさん。そのへんのところ、もうお考えのようですね?」

「見ていただく機会がこれほど減ってくると。考えたくもなりますよ。」

「そうですね。」

「コリエさん、年末にね。」

「はい。」

「ウスズミ先生の合宿セミナーがあるらしいの。まだ、空きがあるらしいから、もしよろしかったら御一緒にいかが?」

「あ、ありがとうございます。要項、ファックスしていただけますか?」


*註)「ヴァイオリニストの音楽案内」(高嶋ちさ子)


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「魔王のスタジオ」-Vnの木の詩がきこえる

2005/12/07(水) 23:54:56

「タコになれ。」「シベリウスの初期微動を聞け。」

おそらく一生かかっても達成できない、と言うか理解不能の課題を与えられた可哀相な小林君。そのレッスンが、2週間もしないうちにやってきた。

直接にレッスンを受けるインターバルとしては最短。こんなことは今までになかった。もちろん、レッスン冒頭、「誰だっけ?」というお決まりの展開にもならず。

どうやら魔王と小林君との関係に何らかの変化が生じたようである。今までの家元と末端の不出来な弟子という関係に。

その詳細については、次回以降に記すことにしよう。

今回のレッスンは、またもや深遠とも、幻覚とも言える、魔王の奥義。

テーマは「ヴァイオリンを構えるな」である。

「ヴァイオリンを構えるな。

 ヴァイオリンを持つな。

 ヴァイオリンは、がっちりと根の生えた、樹齢何百年もの大木。
 大木は動かない。微動だにしない。

 君は、ヴァイオリンの木についている1本の枝葉。
 枝葉は陽光を浴び、光合成をし、ヴァイオリンに滋養を与える。

 君は、ヴァイオリンが響きを作り出すための、部分となるのだ。

 枝は風にそよぎ、葉はうち震える。
 君は五体を動かし、ヴァイオリンに奉仕する。

 ヴァイオリンを構えるな。

 ヴァイオリンを持つな。

 君が動かずに、ヴァイオリンを持つのではない。
 君がヴァイオリンに君臨するのではない。

 ヴァイオリンが動かずに、君を持つのだ。
 ヴァイオリンが君に君臨するのだ。

 ヴァイオリンが木となり、
 君が枝葉となったとき、
 神の音色が発せられる。」

(ああ、迷夢の木の詩が聞こえる


魔王のスタジオTB:0CM:0

「魔王のスタジオ」-地震予知(2)

2005/12/04(日) 23:59:52

「そうですか。」(幻覚だろ。)

「この予知能力は、ここ数日ブラームスを練習している時に、突然身についたんだ。」

「はい。」

「弓を弦におろし、弾き始める。普通、弾き始めた時に音が鳴る。音が聞こえるだろう。」

「ですね。」

「しかし、弾き始める直前に、かすかな音が聞こえるようになったんだ。」

「聞こえるようになったんですね。」

「そうだ。それはたしかに、これから弾こうとする音だった。」

 魔王の目に涙。完全に行ってしまった。

「・・・」

「それは、それは、まぎれもなくブラームスの音だったんだ。」

「ブラームスの音だったんですね。」(語尾を繰り返してあげると、落ち着くという。)

「そうだ。ありがとう、えーっと・・・」

「小林です。」

「そう、小林君。君はわかってくれるんだな。わかってくれるんだな。うれしいな。」

 また、涙。

「で、先生。」

「なんだ?」

「ヴァイオリンの初期微動を感じられるようになると、どうなるのですか?」

「感じられる。これは素晴らしいことじゃないか。」

「はい。」

「真の芸術家のみが獲得できる神の感性だ。」

「神の感性ですね。」

「そして、地震を予知できるようになるんだ。」

「・・・」(わかった、わかった、よちよち。

「凄いだろう。君もシベリウスの初期微動を聞けるように努力したまえ。」

「はい、努力します。」

「いいね、えーっと。」

「小林です。」

「神の感性を得れば、地震のP波も感じられるようになるんだ。」

「はい、先生」(P波でハッピーになります。)


アース・クェイク、明日・クリニックで。診てもらったほうがいいかもしれませんね。)


魔王のスタジオTB:0CM:0

「魔王のスタジオ」-地震予知(1)

2005/12/03(土) 01:15:04

魔王の最優先の仕事がオケのコンサートマスターである以上、魔王の時間的都合を考えて、門下生のレッスンが、各ホールのリハーサル室や楽屋で行われることも多い。

オケは地方公演もするので、レッスンが日本全国津々浦々で行われることにもなる。

運悪くオケの九州公演期間中に、あのタコになるべく努力中の小林君のレッスンがかち合ってしまった。

またもや半年ぶりのレッスン。しかも福岡。しかも5分で打ち切りの危険あり。

と言っていても仕方がないので、やむなく羽田から福岡空港へ。地下鉄に乗り継いで、天神駅下車。

アクロス福岡シンフォニーホール。

魔王はこのホールのソリスト控え室(定員3名。トイレ・シャワー・ピアノ付)をひとりで占拠している。

小林君が控え室に入ると、魔王のヴァイオリンケースのふたが開いていない。これは、「僕は今日のレッスンでは自分のヴァイオリンを弾いて教えることはしない」との意思表示である。

オケのリハーサルでかなり疲れているのだろう。福岡まで来たのに、運が悪い。得るところの多い魔王の実演レッスンは今日はなしか。

このままいくと「御託」のオンパレードになりそうだな。もちろん有益な「御託」も多いが、なにしろ芸術家魂が立ち現れてくると、レッスンそっちのけで「あちらに行ってしまう」魔王である。

それはもはや常人では解釈不能の領域になってしまうのだ。

シャワーを浴びたのか、魔王はバスローブ姿でくつろいだ様子。

「先生、お願いします。」

「えーっと。誰だっけ?」

「はい?」

「名前、何だっけ?」

「こ、小林です。」(半年前の前回レッスンと全く同じ展開。)

「小林君か。君は、最近入門した人だったかな?」

「入門して2年になりますが。」(あのさー、もういい加減覚えてよ。)

「あっ、そう。」

小林君、シベリウスのコンチェルト1楽章を通して弾く。

魔王がひと言。

「前よりよくなったよ。」(あのー、前回弾いたのはサンサーンスなんですけど・・・)

魔王が次々と的確なアドバイス。レッスンひと通り終了。

「ところでな。」

「はい。」

「さっき地震があったんだ。」

「えっ。地震?」

「そう地震。君が来る2時間くらい前。福岡が震度3。」

「そ、そうですか。その時間は飛行機に乗っていたので、知りませんでした。」

「あのね、僕はね。」

「はい。」

「ゆれる前に感じたんだ。」

「はい?」

「地震の前に感じたんだ。」

「な、なにをですか?」

「P波を感じたんだ。」

「何ですか?」

「P波だ。」

「P波?」

「君は高校の時、地学で習わなかったのか。地震のP波。」

「はい。あいにく芸術科だったもので。」

「初期微動だよ。ふつうの人間には感知不可能な地震の最初のゆれだ。」

「はい・・・」

「僕は、地震計しか感知できないこのP波をさっき感じたんだ。」

「そ、それはすごい。」(ほんまかいな。)

「P波を感じてから4~5秒後に本震のゆれ-S波-が来たんだ。」

「S波・・・」

「そうだ。S波が本当に来たんだ。」
 
「つまり、先生・・・。」

「なんだ?」

「つまり、先生は、エスパーなんですね。」

「そ、そのとおりだ。君は、君は。えーっと・・・誰だっけ?」

「小林です。」

「ああ、そう小林君。そのとおり、君は勘がいいなあ。ヴァイオリンの勘は悪いけど。」

「・・・」(ムカ。)

「そうだ。僕は地震を予知できるんだ。エスパーなんだ。」


・・・(続く)・・・・


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