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6か国語を話す庄司紗矢香氏

2007/08/13(月) 20:41:50

最近、ヴァイオリン関連のTV番組情報のキャッチに立て続けに失敗している。

またもや不覚にも、昨夜(12日)23時の毎日放送 / TBS「情熱大陸」が、庄司紗矢香氏を採り上げることを、事前に全く知らなかった。

何気なくテレビをつけたら、「あ! え? 庄司紗矢香じゃん!」状態に陥ったわけである。

番組は、インタヴューとヴェルビエ音楽祭出演のドキュメントとを中心に構成されていた。インタヴューの内容も、音楽祭の楽屋裏の様子も、それなりに面白くはあったのだが、何よりも興味深かったのは、庄司氏が何と6か国語を話すという点だった。

彼女は幼少期にイタリアに住み、中学卒業後はずっとドイツに留学し、引き続き欧州を中心に演奏活動を行っている。

現在24歳で、その半分以上の歳月を海外で生活しているとなれば、6か国語が堪能というのも有り得る話だろうとは思うが、それにしても凄い。その習得レヴェルがどれ位のものかわからないが、例え日常会話程度であったとしても、実に羨ましいかぎりである。

この6か国語だが、彼女の経歴から推測するに、母国語の日本語に、世界標準の英語は当然として、幼少期に住み、ヴァイオリンのレッスンを受けたイタリア語、ドイツ・ケルン音楽院でブロン教授に師事したことによるドイツ語とロシア語、そして卒業後にパリに居を移してフランス語と、以上6か国語だろうか。

彼女は文学が好きだ。

今はヴァイオリンの練習の息抜きに、三島由紀夫の『金閣寺』を読んでいるらしいので、日本語が6か国語の中の1つに過ぎなくなるくらいの海外中心の生活の中でも、母国語の十分な読解力と語彙力を保持、さらにはそれを増強してもいるのだ。ドイツ留学中には、ドストエフスキーを愛読した時期があったということだが、ひょっとして原語(ロシア語)で読んだのであろうか。

番組中では、彼女が英語とフランス語を話す様子が収められていたが、ヴァイオリンの天賦の才の秘密以上に、驚異的な語学習得能力の秘密に是非迫ってもらいたいと思ったほどだ。

日本のTV番組で番組クルーも日本人であるから、インタヴューは当然、日本語で行われたが、彼女は、いたって言葉少なで、思索的な雰囲気を醸し出していた。

インタヴューにおいて、聞き、考え、話すという一連の即応的な所作を行うのなら、パリに住んでいる今の彼女にとってはフランス語のほうが相応しかったのかもしれない。おそらくパリではフランス語で思考している可能性がある。

ただし、彼女のインタヴューにおける寡黙さは、言語の問題ではないのかもしれないとも思えてくる。

インタヴューの質問に対して、彼女は自発的に答を深く本質的に究めていこうとしていた。その声は、巡らす思索の通奏低音をなしているかのようで、低かった。

パリのロマン主義美術館をよく訪れる彼女は、そこの学芸員ともすでに顔見知りだという。あるオリジナルの楽譜を学芸員から見せてもらうシーンで、彼女は「ここ面白いので」と言って、撮影中であることも忘れて、譜面を読みふけり、その世界に没頭していく様子があった。

インタヴューの答えを表現するのに相応しい言葉を探しあぐね、寡黙になってしまうかに見えたのも実はこれと同じことだったか、と思えてきた。例えフランス語やドイツ語で行われたとしても、インタヴューでの彼女は寡黙なままであったろう。

事象の本質や作品の神髄に触れ、それを表現する言葉や音が見つかるまで、表現者は寡黙である。

そして同時に表現者は、現在獲得し得た言葉と音のみで、本質や神髄を余すことなく表現し尽くすことができるとは考えていない。

表現行為とは、不断の「さらにより良く表現しよう」という行為そのものであるのだから。

5月のRFJ(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭)でのチャイコフスキーのコンチェルト。7月の東京文化会館でのパガニーニのコンチェルト。ここ2~3年と比べても、より自然なフォームから奏でられる、より深く、鋭く、明瞭で多彩な音が、作品世界の本質を広く照射していた。

表現は明らかに進化している。

完成したという緩みは微塵もないがゆえ、不断の表現への希求が全身に漲り、演奏に強固なバックボーンを付与していた。

番組の最後、彼女はシュトラウスのソナタを陽気に口ずさんでいた。コンチェルトも、ソナタも、自分だけの表現を求めて、孤独で寡黙な表現者の探求の旅はまだまだ続くのだろう。

でも、ファンとしては、道半ばで構わないので、いろいろな作品の演奏を聞かせてほしいと思う。今捉え得る本質を、獲得した音楽の「語彙」で語ってほしいと願わずにはいられない。

新訳が出て話題の『カラマーゾフの兄弟』(ドストエフスキー / 亀山郁夫訳)でも読みながら、例えば、庄司紗矢香のバッハ:無伴奏全曲を聴いてみたいと思うのは私だけだろうか。


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(2006/09/07)
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コメント
コメントを頂いた方へ
この記事は2007年8月に書いたものです。ご了承下さい。
イグラーユ #-|2015/06/18(木) 22:31 [ 編集 ]
kohjiさま
「仙台国際」の放映情報ありがとうございます。

同じくBS2の「クラシック倶楽部」で、9月6日には、RFJの庄司紗矢香氏のチャイコフスキーが放映されるようです。
イグラーユ #-|2007/08/16(木) 13:10 [ 編集 ]

仙台の映像が放送されるようです。ハイライトですが。要チェック!
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/bscc/index.html
カマラーゾフ、かつて難渋して途中までで積ん読放っ読になったような覚えが。新訳ですか。よさそうですね。
kohji #4A9T8td.|2007/08/16(木) 09:52 [ 編集 ]
みな さま
>新訳『カラマーゾフの兄弟』はけっこう読まれています。私も読みたくなりました。

先日、ごった返す帰省列車の車内で、初老の素敵な男性が、涼しいお顔で、ページを熱心に繰っておられました。

それを見て、私も思わず読んでみたくなり書店へ。

あの読むのに難渋する大作が、とても読みやすく変身。引き込まれてしまいました。
イグラーユ #-|2007/08/14(火) 20:37 [ 編集 ]

ちゃんと番組見てました。24歳には見えないですね。でも、若い力はすばらしい。みずみずしい。私は男子校の図書館に勤めていますが、新訳『カラマーゾフの兄弟』はけっこう読まれています。私も読みたくなりました。猛暑ですがちょっとさわやかな気分になりました。
みな #-|2007/08/13(月) 23:14 [ 編集 ]
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