ビバ!おけいこヴァイオリン

門下、レッスン、先生、コンクール・・・時にシリアス、時にコミカル。

全記事一覧 << 2018/03 123456789101112131415161718192021222324252627282930 2018/05 >>

Profile

イグラーユ

運営:イグラーユ
開設2005年9月。コンクール・受験・留学をめざすヴァイオリン学習者のための情報サイト。

About

プレミアムサイト「ヴァイオリニア」

国際コン、受験情報、音楽トピックスはこちらでも発信中。スマホ完全対応。ヴァイオリン学習情報究(きわ)メディア。

Violinear-logo_new_small_frame_

ブログ内検索

お探しの情報は、まずはこの「ブログ内検索」で。当ブログは過去12年の国内外のヴァイオリンコンクールの情報等をストックしています。

最近の記事

スポンサーリンク

カテゴリー


※一部カテゴリーの記事は、現在改修中のため非公開となっています。

過去の記事(月別)

PR

Amazon

リンク

輸入楽譜バイオリン楽譜ネット

RSSフィード

五嶋みどり、14歳、「タングルウッドの奇跡」の感動的な映像と、「ニューヨークタイムズ」が伝えた「後日談」

2014/01/18(土) 15:25:39

以前に、「映像で見る-ヴィルトゥオーゾの早春賦」 にアップした五嶋みどり氏のタングルウッド音楽祭(1986年7月27日)における 「伝説のE線2度切れ」 映像は、画質があまり良くなかった。

映像が不鮮明だからこそ「伝説」の神秘性が増すという見方もあるが、今回紹介するのは、あの時「何が起こり、どう対処したのか」をかなり鮮明に伝える映像だ。

しかも、演奏終了後に指揮者(レナード・バーンスタイン氏)、オケ団員(ボストン交響楽団)、そして聴衆の歓声と称賛と拍手が湧き起り、会場中が感動と興奮に包まれる様子も映し出しており、見ていて目頭が熱くなる。

「五嶋みどり タングルウッドの奇跡」(“YouTube”)

本番でE線が立て続けに2本も切れるという前代未聞の事態にも、動じることなく沈着冷静に対処し、コンマスと副コンマスから楽器を借りて見事に弾き切った、14歳。

しかも、彼女の楽器は4分の3の分数ヴァイオリン。弦が切れるや、フルサイズの楽器(ストラドとガダニーニ)に躊躇なく瞬時に持ち替えて(肩当ても付け替えて)、最後まで弾き続けたのである。

2度目にE線が切れた時は、代わりのガダニーニを肩当てのないまま弾き出し、その後、ソロパートがないわずかなインターヴァルを利用して肩当てを装着している。

大舞台でのアクシデントにも動じない強靭なメンタリティ、的確な判断力と機転、果断な行動力。どれも驚嘆に値するものだ。

弓を落としただけでもパニック、弦など切れようものなら、もはや泣いてうずくまるしかない。そんな経験を持つ「おけいこニスト」なら、これがどれほど凄いことかはよくわかるだろう。

演奏会の翌日、「ニューヨークタイムズ」の一面に、次のような見出しの記事が掲載された。

“GIRL, 14, CONQUERS TANGLEWOOD WITH 3 VIOLINS”(「14歳の少女、タングルウッドを3つのヴァイオリンで席巻」)

当時の五嶋みどり氏は、現在の “Midori” ではまだなく、“not unknown”(知られていないわけではない)程度の知名度だったからだろうか、記事を書いている記者自身が、Midori を Mi Dori(名:Mi 姓:Dori)と勘違いして Miss Dori と書いたり、ヴァイオリンに詳しくないためか「肩当て」を chin rest (顎当て)と書いたり、微笑ましい部分もあるが、記事は「タングルウッドの奇跡」の細部を、後日談として少し詳しく伝えている。

やや脚色しつつだが、その内容を以下に紹介しておこう。

最初にE線が切れた時、五嶋氏はすぐにコンマスの Malcolm Lowe 氏を振り向いた。

Lowe 氏は「困惑」したものの、自分のストラドを彼女に手渡し、彼女はそれに自分の肩当てを付けて演奏を再開した。

この時の Lowe 氏の「困惑」は、自分のストラドを彼女に貸すことにあったわけではない。

その日のタングルウッドはとても暑くて湿気が多く、オケ団員は皆、上着のジャケットを着ないで本番の演奏に臨んでいた。

Lowe 氏は、弦が切れた時のために、予備のE線をジャケットのポケットに忍ばせていたのだが•••

ジャケットは、楽屋に置いてきてしまった!

切れた弦をその場で張り替えるというプランは、これでもろくも崩れ去ってしまった。そのことへの「困惑」であったのだ。

コンマスの Lowe 氏は、五嶋氏の楽器を副コンマスの Max Hobart 氏に渡し、代わりに受け取った Hobart 氏の楽器(ガダニーニ)で演奏を続ける。

一方、副コンマスの Hobart 氏は、E線の切れた五嶋氏の楽器を、なんとかごまかしながら弾き続けることになった。

そして、2度目にE線が切れた時、五嶋氏は再びコンマスの Lowe 氏を振り向く。

ストラドを渡して、代わりに Lowe 氏が弾いていた楽器を受け取る。

最初、その楽器は弦が張り替えられた自分の楽器だと思っていた五嶋氏だったが、実はそれは別物だった。

「もう二度と音楽の流れを止めたくない」

すぐさま五嶋氏は、その肩当てのないガダニーニを、あたかも自分の楽器であるかのように、何の違和感も見せずに自然に弾き始める。

そして、ソロパートがない短いインターヴァルを見計らって、自分の肩当てを付け、最後まで弾き切ったのである。



関連記事


スポンサーリンク
おけいこニスト 必見・必聴・必読!TB:0CM:1
コメント
素晴らしい!
解説まことにありがとうございます。五嶋姉弟のことをひそかに興味を持って見ていたものですが、非常に細やかな描写に、アップされたビデオを見ながら、その場の臨場感に圧倒されています。歴史に残る素晴らしい演奏だったと思います。
Vla弾き #-|2015/05/07(木) 12:49 [ 編集 ]
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://vivaoke.com/tb.php/3690-a9abf8f8

スポンサーリンク

おすすめのDVD教材

全日本学生音楽コンクール

書評でとりあげた本

PR

無伴奏曲のCD


課題曲発表と同時にCDを探すが、すぐに品切れ・・・
そんなことのないように、常備しておくべき「無伴奏曲のCD」一覧

VIVA!定番アイテム

おけいこニストなら、必ず揃えておきたい、定番のCD・DVD・書籍をリストアップ。

CD一覧

DVD一覧

書籍一覧

Copyright(C) 2006 ビバ!おけいこヴァイオリン All Rights Reserved.
Powered by FC2ブログ. template designed by 遥かなるわらしべ長者への挑戦.