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ピーター・ドラッカーと音楽 - 「オーケストラ」こそが、理想の組織

2013/03/21(木) 20:28:20

企業経営にとどまらない幅広いフィールドで思索を展開し、多くの著作を残した「20世紀の知の巨人」、ピーター・ドラッカー。

ビジネスマンなら もしドラ がブームになる以前から、その著書の1冊や2冊は読んだ経験があることだろう。

ドラッカーはウィーン生まれのウィーン育ち。音楽への造詣が深く、その著書にはたびたび音楽にまつわるエピソードが登場する。

実はドラッカーは、幼少期は「おけいこ(ピア)ニスト」だった。

「私は小さい頃、ピアノの先生にこういわれた。『残念ながら君はモーツァルトをシュナーベルのように弾けるようにはなりません。でも音階はシュナーベルと同じに弾かなければなりません』」(ドラッカー名著集1 経営者の条件より)

ドラッカー家では、母も祖母もピアノが大好きで、特に祖母は、若い頃にクララ・シューマンに師事し、ブラームスの前でも何度か演奏した経験を持つという、俊英「おけいこニスト」であった。そんな祖母がいるハイレベルな「おけいこニスト」一家のことだから、ドラッカー家の日常で起こるエピソードは半端ではなかった。

「あるとき私はソナタを練習していた。すると隣室にいたおばあちゃんが入ってきて、『もう一度弾いてごらん』といった。『そこは変ニなのにあなたはニで弾いているよ』 『でもおばあちゃん、楽譜はニだよ』『そんな馬鹿な』

 そこで楽譜の出版元であるこれまた姪の連れ合いの一人に電話して、「ハイドンのピアノソナタの二冊目のどこそこに誤植があるわよ」といった。二時間後には先方から電話で、おっしゃるとおりだったという返事があった。『おばあちゃん、どうしてわかったの』と聞くと、『あなたの歳の頃から弾いていたし、あの頃は暗譜させられていたからね』が答えだった。」(ドラッカー名著集12 傍観者の時代より)

ドラッカー自身は、それほど優秀な「おけいこニスト」ではなかったようだが、たまたま友人の姉が、当代屈指のピアノの巨匠アルトゥール・シュナーベルのレッスンを受ける現場に居合わせたことがあった。

そのレッスンで、友人の姉が1ヶ月間みっちり練習してきたシューベルトの2曲のソナタを弾いた後に、シュナーベルはこんなことを言ったという。

「リリー、君はどちらも上手に弾いた。でも君に聴こえるようには弾いていなかった。聴こえると思うものを弾いた。そういう弾き方はまやかしだよ」

「いいかい、最初に私に聴こえるように弾くよ。君に聴こえるようには弾けない。それに君が弾いたようには弾きたくもない。なぜなら、あんなふうには誰にも聴こえないはずだからだ。いいかい、私に聴こえるものを弾くよ。それから、君に聴こえているかもしれないと思うものを弾くよ」(ドラッカー名著集12 傍観者の時代より)

シュナーベルにあるべき教師の姿を見たドラッカー。音楽家への鋭い洞察の目は、例えばこんな金言へと結実していく。

「ピアノの巨匠は毎日三時間以上弾く。面白くはなくとも弾かなくてはならない。面白くはなくとも、四〇年経ってもさらに進歩していることを実感する。あるピアニストは「指に命が宿るまで」といった。決まりきったことでも楽しむことはできる。」(ドラッカー 365の金言より)

以上はほんの一部に過ぎないのだが、こんな風にドラッカーの著作の随所に登場するピアノや音楽にまつわるエビソードを拾い読みするのは、実に楽しい作業である。

マネジメントや組織に関するドラッカーの鋭い分析は、音楽のエピソードを通して語られることでより説得性を増し、読者の心を捉えて話さない魅力を放つ。

かねてから、そんなドラッカーと音楽との関わりをテーマにした本が出版されないかなあと漠然と感じていたところへ、今般、こんな新書がリリースされた。

ドラッカーとオーケストラの組織論 (PHP新書)

ドラッカーは様々な著書の中で、組織としてのオーケストラに言及している。1985年には、「情報化組織 “オーケストラ”の演奏」という論文も発表しているくらいだ。

ドラッカーは、さまざまな楽器を受け持つプロの演奏家集団が、指揮者のもとで高度にマネジメントされ、一人の巨匠演奏家の限界をはるかに超えた音楽を作り出すオーケストラに、現代組織の理想の形を見ていたのである。

本書では、日本フィルで広告宣伝や企画制作に携わった著者が、そんなドラッカーのオーケストラに関する論考を渉猟しつつ、オーケストラというユニークな組織の本質を丁寧に解き明かしていく。

オーケストラの内部事情に通じたスタッフならではの知見と視点が随所に光っており、ドラッカーの組織論のエッセンスを学びつつ、同時に「オーケストラ学」をも学べる、1冊で2度美味しい構成となっている。

特に、ドラッカーの所論(「顧客の創造」と「イノベーション」)の実例として挙げられるニューヨークフィル・ロンドン交響楽団・ベルリンフィルの教育プログラム、フィラデルフィア管弦楽団の「倒産」や大阪フィルの「補助金」問題、ベネズエラの 「エル・システマ」、バレンボイムとチョン・ミュンフンによる世界平和への貢献活動等が紹介されている章は、内外のオーケストラの近年の取り組みやカレントな問題を一望できる点で、とても重宝する。

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