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「第61回全日本学生音楽コンクール」福岡大会・予選の社告と審査システムに関する雑感(2)

2007/09/12(水) 20:31:15

9月7日付「毎日新聞」西部版・朝刊に福岡大会の予選に関する社告が掲載された。

<<参加者は海外からの応募を含む256人。>>

昨年、小学校の部で、台湾から参加の魏靖儀さんが第1位に輝いている。

今回も海外勢の活躍に目が離せないが、海外からの参加を想定して、要項などの英訳版は用意されていたのだろうか?

さて、昨日に続いて、審査システムに関する雑感を。

審査に主観が入るのは避けられない。その主観による偏りを排し、凡そ現れた多数派の審査傾向によって順位決めをするのが、平均点方式による審査システムである。

一応、効率と公正を両立させ得るシステムと思われるが、前述したように審査員団の少数派にとっては思わぬ結果を招来することもある。勿論、審査員団の顔触れががらりと変われば、多数派の傾向は変化しうる。

いや、審査は規約通りになんか行われていない。得点のみで決まるのではなく、審査員間での協議・調整がきっとあるに違いない、と主張する人もいるかもしれない。イグラーユは、審査は多分この規約通りに行われてきたし、現在も行なわれているはずだと思っている。

しかし注意しなければならないのは、「学生音コン」の規約は、「日本音コン」のそれに比べて、明文化していない部分が多いということだ。つまり、規約に決められた以外のところで、協議や調整が一切ないとは断言できないのだ。

たとえば、

第34条 地区大会における予選から本選への出場者は平均点の高い順とし、人数については日程や会場、演奏所要時間などを考慮して決定する。

とある。

どこで予選通過ラインを引くかは、結果を左右する重要な審査ポイントである。毎年予選通過者数は変動するので、その都度、誰かが決めているはずだが、この点に関しては、規約は完全に沈黙している。

イグラーユのもとには、「学生音コン」の審査員の仕事の中身について、過去に複数の情報が寄せられている。あくまでも東京大会の予選審査に関してのみであるが、それらの情報を総合してみると、各審査員は予選においては、純粋に採点のみを担当しているに過ぎない実情が浮かんでくる。

<<審査員は審査用紙に点数を記入する。その審査用紙は休憩時間毎に回収され、後で修正することはできない。集計は事務局で行っているようだが、各審査員には、誰が平均何点だったかの情報等は一切伝えられない。予選進出者の数についても、各審査員に諮られることはない。審査員の仕事は、自分の評価点を審査用紙に書いて提出するだけだ。>>

審査員が集計結果さえ知らされないというのは、少々驚きである。主観や情実が絡んだ協議を一切排除し、公正を期すためであろうか。

結局、順位付けをしない予選審査の重要なポイントとなるはずの予選通過者数の決定には、採点に徹するだけの各審査員は関与していないのである。つまり、他の誰かが、どこかで決めていることになる。

では誰が決めているのか?

実は規約を読めば、大体の見当がついてくる。

第19条 地区大会では、審査員の互選によって審査幹事各部門1人を選ぶ。

この「審査幹事」の役割は何か? 規約には、大会後に諮問委員や全国大会の審査員、事務局と、課題曲などについて議論するとあるだけで、それ以外の職務内容については一切触れられていない。

「審査幹事」が、集計された平均点順位を資料にして、事務局と予選通過者数に関する協議・調整を行っている可能性は十分にあるだろう。

ご存知のように「学生音コン」の予選結果が出るのは、最終のコンテスタントの演奏終了後の30~40分後と、かなり早い。

最終グループ10名ほどの演奏が終わって、審査員が得点結果を事務局に渡す。各コンテスタント毎に最高点と最低点をカットして平均点を出す。すでに集計済みの平均点とぶつけて、全体の順位一覧を出す。そして、「審査幹事」と事務局で予選通過者数を決める。決定した予選通過者の番号を紙に手書きして、掲示の準備・・・

以上が、予選通過者が最終決定される「密室の30~40分」の想定ドキュメントだが、かなりてきぱき処理しないと予定時間までには終わらない。集計ミスでもして手間取ると、発表は遅れる。

あの事務スタッフの様子からは、この短時間のパフォーマンスはとても想像できないのだが、ともかくも、審査終了後から結果発表までの時間は、集計と予選通過ライン決定の処理で手一杯である。個々のコンテスタントの合否について、この段階で、何らかの思惑によって調整しようとしても、その時間がないことは明白である。

いや、得点方式は形だけ。個々の審査員がつけた点数とは別のところで、すでにある程度の数の通過者は決まっているのさ。そういう闇があるからこそ、正々堂々と得点が公表できないのだ、との批判が聞こえてきそうだ。

結局、「学生音コン」が得点のみによって予選通過者を決定していると規約で謳うのなら、まさにその得点を公表すべきだろう。

それが、現在の審査システムを取るこのコンクールの公正性を証明する唯一の道である。




第61回全日本学生音楽コンクールTB:0CM:1

第61回全日本学生音楽コンクール」東京大会・中学校の部(詳細)と審査システムに関する雑感(1)

2007/09/12(水) 01:58:36

9月10日付「毎日新聞」東京本社版・夕刊より引用。

19名が本選へ進出。(*入選・入賞結果は直近のもの。)


坪井夏美さん(千葉県佐倉市立西志津2年)*06中学校の部・入選

鈴木梨香さん(神奈川県大和市立つきみ野3年)*06中学校の部・入選

小林壱成さん(千葉県柏市立松葉1年)*06小学校の部・入選

山根詩音さん(川崎市立南生田2年)*04小学校の部・奨励賞

斎藤澪緒さん(長野県上田市立第二2年)*05小学校の部・入選

竹歳夏鈴さん(東京・立教女学院2年)

江頭佳奈さん(さいたま市立大谷口2年)*06中学校の部・入選

和久井映見さん(東京・桐朋女子3年)*06中学校の部・入選

入江真歩さん(東京都武蔵野市立第四2年)*04小学校の部(福岡大会)・第3位

日置駿さん(神奈川・慶応義塾普通部2年)*05小学校の部・奨励賞

毛利文香さん(横浜市立笹下1年)*06小学校の部・奨励賞

福田俊一郎さん(東京・玉川学園1年)*04小学校の部・入選

美島佑哉さん(水戸市立第四2年)*05小学校の部・入選

大久保良明さん(甲府市立城南3年)

城戸かれんさん(中野区立北中野1年)*06小学校の部・第2位

佐藤駿太さん(川崎市立犬蔵2年)

西村萌玖夢さん(宮城県・宮城学院2年)

大江馨さん(仙台市立鶴が丘2年)*06中学校の部・奨励賞

野見山玲奈さん(川崎市立長沢2年)


今年も匿名掲示板が熱くなっている。

審査を巡る議論には感情が絡む。そして、噂や憶測がそれに拍車をかける。出場者にとって審査結果はとても重要だから、致し方ない面もある。

地区大会の審査結果に納得を得る最良の方法は、やはり得点結果の公表であろう。全国大会における得点の公表のみで、コンクール全体の透明性は主張できないからだ。

以下、「学生音コン」の審査システムについて、できるだけ資料や事実に基づいて考察してみたい。イグさんは自分の子(小5で男子)を落とされても、我慢してこんな客観的な文章を書けるんだあ、といまだに固定観念に囚われている向きは、どうぞお好きに。(それにしても、なぜ小5男子と断定されてしまうのか、全く不明。)

まず、「学生音コン」の規約において、地区大会の審査に関する記述で、留意すべき点。

1)審査はすべて得点によって行う。予選通過者は、各審査員の評価点(25点満点)の最高点と最低点をカットした平均点の高い順に決定する。

2)得点制だから、審査員間の討議は行わない。

一方以前指摘したように、「日本音コン」本選は点数+討議で順位を決定。予選は点数のみで決まり、進出人数枠のみ審査員と事務局等との間で調整し決定する、とされている。

討議なしの完全得点制のほうが、討議ありの得点制よりも当然、客観的に思えるが、この完全得点制は、すべての評価結果を得点のみに集約し、演奏の優劣をわずかな得点差に表現するが故に、思わぬ審査結果を導き出す可能性がある。

平均点で並べて見ると、地区大会においても昨年公開された全国大会の点数と同様の分布で、24点から17~8点くらいの範囲で上位者が決まってくるはずだ。もちろん、審査員によっては極端に基準を高く採って、10点台の前半しかつけない先生もいるかもしれないが、その点数はカットされることになる。

ダントツの最上位者の点数を除けば、おそらく、同点、あるいは1点差や小数点以下の差で、22位までの順位が導き出されるだろう。ボーダー上の戦いはし烈を極め、23位が22位と小数点以下の差で、しかも数名いることもあるかもしれない。

こういう状況で予選通過者が決められるという点を、まずイメージしておきたい。

そして討議が行われない以上、審査基準は個々の審査員それぞれの中にしかない。これについては、我が敬愛すべき井財野師の昨年度の福岡大会へのコメントを参照されたい。

シニアのコンクール同様、あくまでも正統的なところに基準を置く先生、少々の瑕疵よりも、将来性を重く見る先生・・・それぞれが持つ基準で、評価が点数化される。例えば23点と21点ではどの程度違うのかは、その先生の感覚による。1日50人も審査していれば、その感覚が揺れてくる。2日目は尚更である。そして個々の得点が集計される。極端な評価を捨象した、だいたいの平均点結果が出てくる。それがわずかな点数差で並ぶ。

ここは、良かったが、ここは悪かった。でも、才能を感じる・・・例えばそういう印象がどのような点数に表現されていくのか。シンプルな数字が物語るものは、そう多くない。

多様な評価の言葉が削ぎ落とされ、平均点の塊となる。すると、多数派にぼんやりと共有されていたものが、審査傾向となって現れてくるかもしれない。

その傾向が、思わぬ方向-それは何人かの審査員自身さえもが「えっ?」と驚くような方向-に審査結果を導いてしまう。



第61回全日本学生音楽コンクールTB:0CM:0

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