ビバ!おけいこヴァイオリン

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【書籍レヴュー】「ヴァイオリン&ヴァイオリニスト」(ONTOMO MOOK)

2014/04/26(土) 18:31:26

発売前の本書の内容予告を 「ビバおけ」で取り上げた が、「対談 原田幸一郎 vs 神尾真由子」は、結局、本書には掲載されず、「音楽の友 2014年2月号」に掲載された。

その他にも、予告されたいくつかの記事(巻頭言やコラム)が掲載されず、また、第3章の「ヴァイオリン工房をたずねて」は、当初は、日本の複数のメーカーや「匠」の工房の制作現場をレポートする予定だったと思われるが、実際に掲載されたのは「ヤマハ」のパブリシティ記事、それも見開き2ページ程度のものとなった。

書名は「ヴァイオリン&ヴァイオリニスト」となっているが、そもそも予告段階の目次を見ても、「ヴァイオリニスト名鑑」であることがメインで、楽器についての記事が少ないことは予想できた。

実際、楽器については、歴史上の数名の名工に触れる短いコラムがあるだけで、銘器の写真も掲載されていない。

とはいえ、気鋭の音楽評論家・ライターらが書き下ろした国内外の演奏家(物故者・現役・若手)全363名を紹介する記事はまさに壮観で、思わずあれこれと拾い読みしてしまう充実ぶりである。

多岐にわたる情報が達意の文章で手際よくまとめられており、当然ながら、ネット上のウィキペディアベースの記事などとはレヴェルが違う。

コンクール関連の記事は、主要なヴァイオリンコンクールの概要とそこから輩出されたヴァイオリニストを紹介するコラム、「ヴィエニャフスキ」「エリザベート」「ロン=ティボー」「ミュンヘン」「パガニーニ」「チャイコフスキー」の各国際コンクールの歴代上位入賞者の一覧からなっている。

現役ヴァイオリニストの経歴やコンクールの入賞データは、毎年、アップデイトされていくべきもので、その点ではウェブが向いていると思うが、一方で、ハンディに1冊にまとまっていて、ぱっと総覧し読みたい時に読めるのは、紙の本ならではの利点であろう。

今後、こうした事典的な書籍は、ウェブ化の方向に行くのか、紙に踏み留まるのか。それらを並立させていくのか。

難しい時代になってきた。

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ヴァイオリン&ヴァイオリニスト (ONTOMO MOOK)




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「とっても気になる本」 一覧

2013/03/08(金) 20:23:45

芸術闘争論 / 村上隆

⇒ヴァイオリン名器級「サザビーズで1点1億円落札」男、村上隆氏のアートで世界と戦うための刺激的戦略論。音楽で世界標準をめざす場合も、同様のパワーと情熱が求められる。ぜひ 芸術起業論 も併読を。



「意味順」で中学英語をやり直す本

⇒難しい文法用語なしで、英語の感覚が楽しく身につく。英語が苦手な(でも苦手では決して済ませられない)高大生おけいこニストにおすすめ。



アスリートたちの英語トレーニング術 (岩波ジュニア新書)

⇒アスリートも音楽家も、世界に出るためには、英語習得は不可欠。トップアスリート達のユニークな学習法を是非参考にしたい。



「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー

⇒「打力重視で、どさくさに紛れて勝つ」開成高校野球部のユニークな(決して知的に洗練されているわけではない)勝利学。コンクールで「下手でも賞に入る」演奏法があれば、誰か教えて!




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メモリアル「諏訪根自子」-CDと伝記本、相次いでリリース

2013/02/01(金) 20:48:24

戦前から戦中にかけて、美貌の天才ヴァイオリニストとして一世を風靡し、第二次大戦中のヨーロッパ楽壇で活躍した諏訪根自子が、92歳の生涯を閉じて間もなく1年になろうとしている。

命日(3月6日)に合わせるように、13歳~15歳の頃の演奏を録音した貴重な音源が完全復刻され、波乱に満ちたその生涯を辿る伝記本も近く出版される。

録音は 『諏訪根自子の芸術』

1933年~35年に、日本コロムビアに録音されたSP盤を完全復刻したものだ。

諏訪根自子は、3歳でヴァイオリンを始め、小野アンナ、アレクサンドル・モギレフスキーに師事。10歳の時に、来日したエフレム・ジンバリストの前で、メンコンを演奏して驚嘆させ、12歳で初リサイタルを開いた。

本CDの収録曲のひとつ、ドヴォルザーク:インディアン・ラメントを、Youtube で聴くことができる。

2月下旬に出版される伝記本は、『諏訪根自子(すわ ねじこ) 美貌のヴァイオリニスト その劇的生涯』(萩谷由喜子著 ㈱アルファベータ)

『幸田姉妹~洋楽黎明期を支えた幸田延と安藤幸』 等の著書がある、音楽ジャーナリスト・萩谷由喜子氏渾身の評伝である。

著書の萩谷由喜子氏は本書について、「いまだにある観点から、諏訪根自子は国際的注視を浴びています。詳しくは本の「あとがき」で触れましたが、このあまりにも数奇な問題についても、最終的に、ひとつの驚くべき答えを得るところまで行き着くことができました」としている。

諏訪根自子は、16歳でベルギーに留学。18歳でパリに移り、ナチス・ドイツがフランスに侵攻する前年の1939年に、パリでリサイタルデビューを果たした。ほとんどの在留邦人が日本への帰国を余儀なくされる中、ナチスのパリ占領後もそのまま留まり続け、パリとベルリンを行き来しつつ、演奏活動を継続した。

1943年に、クナッパーツブッシュ指揮のベルリン・フィルと共演。その年に、ナチスの宣伝相ゲッベルスからストラディヴァリウスとされるヴァイオリンを贈られた。

このヴァイオリンをナチスがどのように入手したかが謎に包まれており、戦後の諏訪の周辺で様々な憶測が囁かれもした。今もなお、「ニューヨーク・タイムズ」 が記事にする等、国際的にも注視されている問題である。

萩谷由喜子氏の言う「あまりにも数奇な問題」がこの楽器の由来に関することだとすると、行き着いた「ひとつの驚くべき答え」とは、どのようなものなのか。実に興味深い。


(追記)

一周忌を迎えるにあたり、キングレコードからも、1985~86年録音のベートーヴェン・ソナタ(「春」と「クロイツェル」)と未発表音源2曲等を収録した、「永遠なれ諏訪根自子」が、3月27日にリリースされる。

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永遠なれ 諏訪根自子





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【書籍】『いのちのヴァイオリン: 森からの贈り物 』(中澤宗幸/著 ポプラ社)

2013/01/04(金) 01:10:46

「被災地の流木から「震災ヴァイオリン」をつくった世界的なヴァイオリン修復家が、楽器に秘められた人間と自然の物語をかたる。」(「ポプラ社」公式サイトより)


いのちのヴァイオリン: 森からの贈り物 (ポプラ社ノンフィクション)いのちのヴァイオリン: 森からの贈り物 (ポプラ社ノンフィクション)
(2012/12/07)
中澤 宗幸

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『ヴァイオリンの見方・選び方(基礎編)・(応用編)』-在庫切れになる前に、是非とも入手しておくべき2冊

2012/12/25(火) 20:12:18

「レッスンの友社」が廃業するとの情報が伝えられて以来、1ヶ月が過ぎた。

版元が廃業してしまうと、やがて出版物は絶版になる。それがいつになるのかはわからないが、最近、アマゾンを覗くと、かつては時々品切れになっていたこともある同社出版の本の在庫数が復活している。

この本もそうである。「基礎編」と「応用編」の両方が、(今のところ)複数在庫されている。「店じまい」在庫一掃セールかと思うと、悲しくもなるが、これは最後のチャンスかもしれない。

神田侑晃氏著の『ヴァイオリンの見方・選び方』

他のディーラーや楽器商による類書はいくつかあるが、いまだにこれを超える本は存在していないように思う。

例えば、予算が数百万円ある場合のヴァイオリンの選び方が、具体的にアドバイスされている。そんな世界に縁がない場合はそれまでだが、高価なイタリア製のフルサイズを購入しようとしているのなら、最低、この本は読んでおくべきだろう。

銘柄や鑑定書の知識、価格の決まり方、相場なども、具体的かつ詳細に記述されている。「イタリア・トーンなどという音は存在しない。同じようにジャーマン・ トーンもフレンチ・トーンもない。同じ音は一本としてないのだから、 個々のヴァイオリンを試奏して判別するのが正しい選定である」との神田氏の結論は、説得力にあふれている。

とはいえ、判別ができるほどに、個性ある良質の楽器が多く国内の楽器店に在庫されているのかどうか。数がない場合は、あるものの中から選ばざるを得ないという苦い現実に、実際のヴァイオリン選びでは直面することにもなる。

その場合は、「どうぞ当店へ」と神田氏は仰るかもしれない。

「そんな手に乗るか」という方も含めて、「ヴァイオリン選び」という「一大事業」に取り組む際の基本書は、まずもって本書を措いて他にはないことは認めざるを得ないだろう。


ヴァイオリンの見方・選び方―間違った買い方をしないために (基礎編)ヴァイオリンの見方・選び方―間違った買い方をしないために (基礎編)
(1998/12/10)
神田 侑晃

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ヴァイオリンの見方・選び方 応用編ヴァイオリンの見方・選び方 応用編
(2002/07/25)
神田 侑晃

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【書籍】『新版 魔のヴァイオリン』(佐々木庸一著 音楽之友社)

2012/10/06(土) 00:28:36

「涙に濡れたアマティ」、「にせ物作りの名人たち」、「奏き込めばいい音が出る」、「ストラディヴァリの値段は有名税」・・・等、各章に付けられた見出しが、ヴァイオリン好きの読書意欲をかき立てる。

ヴァイオリンに関する興味深い逸話が満載の、30年前に初版が出た書籍の復刻新版。著者は、「ヴァイオリンの魅力と謎」や、カール・フレッシュの「ヴァイオリン演奏の技法」の翻訳(いずれも絶版)等で知られる佐々木庸一氏である。

クレモナの展示会に出品されたストラドがほとんど偽物であった話や、フーベルマンが楽器を二度盗まれた話、製作家のヴィヨームや楽器商のタリシオが掘り出し物で大儲けした話等々、出典は示されないが、昔話物語風の語り口に乗って、名器や演奏家、楽器商にまつわるエピソードが次々と登場する。

本書のタイトルとなった「魔のヴァイオリン」、ガスパロ・ダ・サロ作の「チェリーニのヴァイオリン」(ペグには天使が、テールピースには悪魔が彫刻されている)に関する逸話も紹介されている。

ところで、本書には、様々な名器の値段が出てくる。ストラド、グァルネリ、ベルゴンツィ、グァダニーニ、ガリアーノ、ストリオーニ、チェルーティ、プレッセンダ、ロッカ・・・ 〇〇〇万円以上という書き方をしているものが多いのだが、この下限の値段設定が、2012年現在から見ると、「ええ!?」と思う水準である。

30年前、1980年の前半くらいは、そんな値段で買えたのかと思ってしまうが(勿論、普通の感覚ではそれでも十分高いのではあるが)、本書を復刻するにあたって、楽器の値段の新旧対応表でも付けて頂いていたら、より一層「ああ、昔は良かったな感」が楽しめたであろう。

ついでに言えば、本書の続編と言える1987年刊行の『ヴァイオリンの魅力と謎』には、演奏家や指導者に関する逸話や、重要な奏法に関する話等が綴られているが、その巻末に、10数ページに渡ってヴァイオリンの価格表が付されている。

立ち読みは、こちらへ。

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【書籍】『まるごとヴァイオリンの本』(石田朋也著 青弓社)

2012/09/15(土) 00:13:35

ウェブサイト「ヴァイオリンがわかる!」を運営する石田朋也氏が、同サイトの主要な話題に加筆・修正して編んだ1冊。加筆・修正は十分な量に及び、単なるサイトの焼き直し本に終わっていない。

主に大人のレイト・スターター向けの内容だが、姿勢・ボウイング・音程等に関する第一章、効率的・効果的な練習法のヒントを集めた第二章あたりの懇切丁寧な記述は、基礎固め期にあるおけいこニストも大いに参考にできるはずだ。

また第四章では、ヴァイオリンのメンテナンスに関するノウハウがまとめられている。ペグの調整法や駒の角度の調整等が写真付きで解説されており、とても重宝する。

中・上級のおけいこニストにとっては、ヴァイオリンに対する自分なりの「考え方」を振り返るための一冊となるかもしれない。

本書を通読して、今まで見落としてきた部分や、新たな視点に気づかされる一方で、より上達するために、よりよい音で楽器を奏でるために、自分は今までどのような努力をしてきたのかを振り返ってみる。そんな読み方が可能だろう。

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まるごとヴァイオリンの本






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『ピエタ』は、第3位

2012/04/22(日) 17:58:06

昨年、当ブログでも記事にしたヴィヴァルディを巡る歴史音楽小説『ピエタ』(大島真寿美著 ポプラ社)が、「2012本屋大賞」で第3位となった。


「音楽のように響きあう生き様-『ピエタ』大島真寿美著」(3月3日付「産経ニュース」)

「娘だった全ての人へ-『ピエタ』 大島真寿美著 評・小泉今日子(女優)」(2011年5月23日付「読売新聞」)

「読書メーター」






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【書籍】『チャイコフスキーがなぜか好き』(亀山郁夫著 PHP新書)

2012/03/14(水) 20:26:56

「カラマーゾフの兄弟」等の新訳で、近年のドストエフスキー・ブームに火を付けたロシア文学者亀山郁夫氏による、「死ぬまで聴いていたい」ロシア音楽へのオマージュである。

亀山氏は、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2012」のアンバサダーに就任しており、本書は、音楽祭の公式ブックともなっている。

「ゲルギエフとサンクトペテルブルグの奇蹟―マリインスキー劇場のサバイバルと挑戦」という著書もある亀山氏にとって、ロシア音楽は専門領域と言ってよい。

10歳の時に聴いた「くるみ割り人形」に端を発したチャイコフスキーへの傾倒、大学学部での4年間のドストエフスキー研究の後、新たに研究テーマに選んだ20世紀初頭のロシア前衛文化に触発されて聴いたストラヴィンスキーの「春の祭典」やプロコフィエフの「スキタイ組曲」。

そして、指揮者ゲルギエフの挑戦的なロシアオペラへの取り組みを媒介に出会った、ショスタコーヴィチの「ムツェンスク郡のマクベス夫人」。

留学体験も交えて語られる作曲家は、19世紀のグリンカから現代のペルトやクバイドゥーリナまで多岐にわたる。

ロシア音楽の神髄は、異教の神へと傾倒する「熱狂」と、キリスト教の神を憧憬する「ノスタルジー」という、アンビヴァレントなロシア人の信仰形態にあるのではないか。

その独自の仮説を、確かめるためにも、亀山氏は自ら「熱狂の日」のコンサート会場に足繁く通うつもりらしい。

本のタイトルが、「チャイコフスキーがなせかスキー」という茶目っ気を含んだものかどうかはわからないが、「サクル・リュス」に出かける前にぜひ読んでおきたい、深みのあるガイド本である。


【著者は語る】東京外国語大学長・亀山郁夫氏(「Sankei Biz」)



チャイコフスキーがなぜか好き (PHP新書)チャイコフスキーがなぜか好き (PHP新書)
(2012/02/15)
亀山 郁夫

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『小澤征爾さんと、音楽について話をする』(小澤征爾×村上春樹  新潮社)

2011/11/29(火) 20:12:08

今、誰もが最も知りたいと思う音楽家の内声と、精妙に響き合う言葉を紡げるのは、恐らくこの小説家を措いて他にはないだろう。

例えば、大磯にある小説家の自宅で、小説家自らがテープを回して、「ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番」をテーマに語り合う。

ふたりでレコードを聴きながら、食事を摂りながら、とてもインティミットな雰囲気の中、カラヤンやバーンスタインやグールドについての音楽家の思い出に、小説家がそっと寄り添うように対話が重ねられていく。

例えば、音楽家が「楽譜を読み込む」というのは、どのようなことなのか。

小説家はそれを心から知りたいと願い、音楽家の内声にじっと耳を傾けようとする。

ふたりの協奏に導かれ、「良き音楽」の深奥にあるものにゆっくりと分け入っていくプロセスを読者も辿ることができる。

それは、小説家の作品を読むときのように魅惑的だ。

新潮社特設サイト

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小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫)

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』で聴いたクラシック




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「ブルー・フジ・クヮルテット」と「鹿間四重奏団」

2011/11/14(月) 20:44:17

2つのカルテット。

前者は、ジュリアード卒の俊英日本人演奏家が結成した世界有数のカルテット。後者は、結成30年、円熟期を迎えて解散を決めたカルテット。

いずれも小説に出てくる架空のカルテットだ。

丸谷才一氏の『持ち重りする薔薇の花』は、元経団連会長が打ち明ける「ブルー・フジ・クヮルテット」の秘話。芸術の「聖」と人間の「俗」を精妙に語って、小説の極上の面白さを堪能させてくれる。ハイドンのセレナーデに関する謎など、音楽談義も盛り沢山。

小池昌代氏の『弦と響』は、ラストコンサートを迎えた「鹿間四重奏団」の1日を、複数の登場人物の視点で描く。詩的な語り口が創り出す重奏の調べが心地良く、所々で展開される作家の音楽観に共感させられる。


『持ち重りする薔薇の花』の装丁は、和田誠氏によるもの。これは薔薇の花が型押しされたヴァイオリンとヴィオラとチェロの駒だろうか。

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持ち重りする薔薇の花 (新潮文庫)

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【書籍】「少年とバイオリン ~音楽の神様からの贈り物」

2011/06/30(木) 20:52:44

1951年(昭和26年)、初来日したユーディ・メニューイン。

26回の公演を終えて帰国した翌日、朝日新聞は、メニューインとある貧しい少年との間に生まれた感動的なエピソードを報じた。

その実話をもとに生まれた物語である。

長野県下伊那郡売木村で食堂を経営していた故鈴木多喜夫氏(滝一平氏)が創作した朗読テープを、コピーライターの國分紘子氏が、一字一句文字起こしし、完成させた作品という。(ブログ「日々の戯言」より

敗戦後の荒廃と貧しさの中で、音楽をひたすら愛し、夢の実現のため頑張る少年。そして、それを支える人々との絆。

今、3・11の後だからこそ読んでみたい、奇跡の物語だ。


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少年とバイオリン ~音楽の神様からの贈り物~


(関連記事)

【メニューイン初来日】 悪魔のトリルに震え涙した日(「ヴァイオリニア」)





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美しいヴァイオリン曲の旋律に乗って展開される、エリック・カールのコラージュの世界

2011/06/14(火) 20:50:14

バロック調のこの曲は、おけいこスタートの頃の郷愁を誘う。

I See A Song


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『ピエタ』(大島真寿美著 ポプラ社)-ヴィヴァルディの1枚の楽譜の謎に導かれた、様々な人生の「協奏」の物語

2011/02/27(日) 00:47:29

ヴィヴァルディをめぐる、歴史音楽小説。

しかも、かの大作曲家の失われた楽譜探しがメインテーマで、「美しい結末」が印象的。書評での評価も上々である。

でなくとも、ヴィヴァルディと聞けば、これぞまさに私たちに向けて書かれたような小説ねと、本ブログ読者ならば、すぐにアマゾンへ直行となろう。

発売当初は、品切れ店続出。アマゾンでも品切れ。重版待ちの状態となった。

すぐに書店に走って本書を買い求め、読了したイグラーユ。感動の余韻のままに、思い立って、ヴィヴァルディの『調和の霊感』を久しぶりに聴くこととなった。

例えば、サードポジション移行期のエレメンタリーおけいこニストなら誰もが、嫌と言うほど慣れ親しんだ汗と涙の楽曲、第6番 第1楽章 イ短調、通称「Aモール」。

何度聴いたか知れないこのスタンダードナンバーでさえ、その短調の哀切さと、前進する音楽の勢いに導かれるように、小説中の印象的な叙述や場面が次々と甦り、音楽と共鳴し始めるのを感じた。今までとは異なった「Aモール」が、確かに聞こえてきた。

ヴィヴァルディの音楽が、これまでの理解とは異なった次元へと切り開かれていく。そんな実感を持つことができたのも、18世紀ヴェネツィアの時代と風景と人間を見事に描出し切った、この小説の構築力の高さゆえなのだろう。

以下、ウィキペディアを参考に、小説に関わる若干の史実を記しておこう。

ヴェネツィアにあったピエタ慈善修道院。孤児を養育するこの施設には付属の音楽院があり、ヴィヴァルディはそこで音楽教師を務めていた。

ここでは、音楽的才能を見い出された8歳から10歳の女子学生が、集中的にヴァイオリンなどの器楽や合唱の訓練を受け、「合奏・合唱の娘たち」の一員へと育成されていたのだ。

ヴィヴァルディの400を越える膨大な協奏曲のほとんどは、この身寄りのない音楽院の女子生徒たちのために書かれた曲であった。

そして、ヴィヴァルディの指導の下、合奏・合唱団の技量は飛躍的に向上し、多くの女性ヴィルトゥオーゾや名歌手が輩出されたという。

この小説の主人公エミーリアの無二の親友であるアンナ・マリーアは実在の人物であり、ヴィヴァルディの指導の下に、才能を開花させ、名声を得たヴァイオリニストであったという。

史実を十二分に押さえた小説の静謐にして絶妙な語り口は、冒頭から読者を、18世紀のヴェネツィアにタイムスリップさせる。

主人公エミーリアと共に読者も、ヴィヴァルディの失われた楽譜探しの旅に出て、その過程で様々な人々と出会うことになる。

身分や境遇が異なるそんな彼らとの「協奏」の物語は、やがて現代人である我々にも大きな癒しと救いをもたらす感動的な結末へと至る。

小説の語り口同様、読書家を静かにじわじわ虜にし始めた予感がする。

いや、もはやそれは大きな奔流となっているのかもしれない。書店員の評判も上々で、恐らく来年の「本屋大賞」の候補にもなるはずだ。


ピエタ (ポプラ文庫 日本文学)


ヴィヴァルディ:協奏曲集 調和の霊感





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『バイオリニストは目が赤い』(鶴我裕子著 新潮文庫)

2010/01/04(月) 00:26:29

2005年に出版された単行本(『バイオリニストは肩が凝る』-アルク出版企画)が、改題して文庫化された。

著者は、東京芸大卒で、N響第一バイオリン奏者を32年間務めた。

単行本でも読んだが、今回、文庫版で4年ぶりに再読。面白かった。

勤続30年でも未だにN響になじめず、「どうしてこんなに行くのがイヤなんだろう」と、序文でいきなり余りにも正直な、そしてユーモアと茶目っ気に満ちた、軽妙洒脱な筆が全開。

「カイシャ」と呼ぶN響での演奏活動の舞台裏や指揮者に関する事が、様々なエピソードを通し語られていく。

「おり番」の時は、「ランチにイチゴミルクがサービスでついたぐらい」嬉しいとか、「おもしろくもナーンともない」譜読みを、大相撲や「ルパン三世」をテレビで見ながら、独特の方法で楽しみつつこなしていく術とか、次々と語られる本音トークは、演奏家と読者との間の敷居を上品にはずし、クラシック音楽愛好家でなくても十分に楽しめる極上のライト・エッセイに仕上がっている。

また、おけいこヴァイオリンの観点から言っても、実に興味深い内容が盛り沢山だ。

いくつか引用してみよう。

山形県出身の著者がバイオリンを始めたのは10歳の時。大澤秀雄先生に師事した。

「先生は、すごく怒りっぽかったが、私を愛してくださり、レッスンは、レッスンというより合宿に近かった。お宅へ行くとまず、最新版のグリュミオーのレコードを聴かせてくれる。自分がそのとき弾いている曲のこともあったが、あまり格が違うと、とらえどころがなかった。先生は目を細めて、『この歌い方だよ、どうしてこう上品なんだろう』と、聴きほれていた。私のほうは、早くいやなレッスンを終えて遊びたかった。」

「あの時代、あの田舎で」、先生は、「大事なポイント」をすべてちゃんと踏まえたレッスンをしてくれた。

大学卒業後、師事したのは、当時チェコから芸大に招かれていたマリエ・ホロニョヴァ先生。

「先生は、オイストラフの恋人だったんだもんね。きれいな、かわいい、かしこい、わがままな先生。それからチェコに動乱が起こり、先生は帰国した。私はまだ、メソッドの一部しか教わっていなかったが、格段の進歩をしたので、中断はつらかった。先生について行った石川静さんは、今や大バイオリニストである。モトも違いますが。」

そして1983年、N響がヨーロッパ公演でプラハを訪れた時、著者は先生に再会するのである。

また、「では、ウィーン・フィルの、あのうっとりするような弦楽器の響きは、いったいどんな高い楽器から生まれているのだろう」との疑問への答えを得た、カール・ベーム指揮ウィーン・フィルの練習室での光景や、ギトリス、クライスラー、クレーメル、グリュミオーなど、著者お気に入りのヴァイオリニストに関する記述の数々。

さらには、「ヴュータンをスペル通りに読むと『ヴュークステンプス』となる」との書き出しで始まる、ヴュータン:バイオリン協奏曲第5番や、芸大入試の課題曲だった時は、『開始直後にいきなりの三回転半』みたいな出だしを外さないように」という感想しか持たなかった、ラロ:スペイン交響曲など、著者お気に入りの楽曲に関する記述も、実にためになり楽しめる。


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「第24回アンドレア・ポスタッキーニ国際ヴァイオリンコンクール(2017/5/20〜27 イタリア・フェルモ)

「第9回大阪国際室内楽コンクール&フェスタ」(2017/5/13〜21 大阪)

○【チェロ】「2017エリザベート王妃国際音楽コンクール」チェロ部門(2017/5/8~6/3 ベルギー・ブリュッセル)
事前審査結果発表済み

「2017プラハの春国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門(2017/5/7~15 チェコ・プラハ)
事前審査結果発表済み

「若いヴァイオリニストのためレオニード・コーガン国際コンクール2017」(2017/5/1〜6 ベルギー・ブリュッセル)

「第6回アンリ・マルトー国際ヴァイオリンコンクール」(2017/4/24~5/6 ドイツ・リヒテンベルク)
出場予定者発表済み


2016年の国際コンクール

2015年の国際コンクール

2014年の国際コンクール

2013年の国際コンクール

2012年の国際コンクール

2017国内コンクール
Link


「第86回日本音楽コンクール」(第1予選:9/13・14・15、第2予選:9/16・17、第3予選:9/18、本選:10/22)

「第71回全日本学生音楽コンクール」(【予選】東京小学:9/2・3、中学:9/9・10、高校:9/5・6、大阪小学:9/3、中学:9/2、高校:9/4、名古屋:9/10、北九州:9/24、【本選】東京小学・中学:10/15、高校:10/16、大阪:10/21、名古屋:10/22、北九州:10/21、【全国】小学・中学:12/3、高校:12/4)

「第11回全日本芸術コンクール」(予選:音源審査、本選:8/23・24)

「第10回国際ジュニア音楽コンクール」(予選:ビデオ・録音審査、本選:8/21・22)

「第4回刈谷国際音楽コンクール」(8/10・11)

「第21回松方ホール音楽賞」(予選:8/9、本選:8/10)

「第11回ベーテン音楽コンクール」(地区予選:7/26〜9/3、地区本選:9/24〜11/11、全国大会:11/23・12/25)

「第29回子供のためのヴァイオリンコンクール」(7/25・26)

「第19回日本演奏家コンクール」(第1次予選:7/23〜27・30、第2次予選8/19・20・23〜25・28〜30、本選:10/10・11)

「第18回大阪国際音楽コンクール」(予選:録音・映像審査、地区本選:7/22〜8/31、ファイナル:10/7・8)

「第27回日本クラシック音楽コンクール」(予選:7/15〜8/31、本選:9/21〜10/31、全国大会:12/6・7・9・15・18・19・20・26・27)

「第15回東京音楽コンクール」(第1次予選:7/1〜3、第2次予選:8/24、本選:8/31)

「第3回豊中音楽コンクール」(予選:2017/6/17・18、本選:7/2)

「第33回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール」(予選:6/11〜8/8、本選:6/25〜8/16、全国大会:8/23・25・26・27、9/16)

「第5回 Kアンリミテッド弦楽器コンクール」(予選:6/3・4・10、本選:6/25)

「2017ハマのJACK コンチェルト ソリスト オーディション」(予選:5/4、本選:5/21)

「第33回かながわ音楽コンクール」(第1次予選:3/19・20、第2次予選:4/16、本選:5/14)

「第3回日本ジュニアヴァイオリンコンクール」(4/4)

「第1回赤坂ジュニア音楽コンクール」(予選:3/29、本選:3/31)

「第11回セシリア国際音楽コンクール」(予選:録音・録画審査、本選:3/29・30)

「第6回宗次エンジェルヴァイオリンコンクール」(第1次予選:3/28・29、第2次予選:3/30・31、本選:4/2)

「第32回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール」(予選:2016/12~2017/2、本選:2017/1~3、全国大会:2017/3/25・26,・31、4/3)

「ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール2017」(2017/3/13・21・22)

「第5回 Kジュニア&学生音楽コンクール」(予選:CDまたは実演2016/12/23・24、セミファイナル:2017/1/7・8、ファイナル:2/4)

「第22回KOBE国際音楽コンクール」(予選:音源審査、本選:2017/1/7〜9)

「彩の国 String Competition 4th(予選2017/1/4、本選1/5)

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